伊藤恵の演奏は,如何にも東京藝大准教授でございというアカデミックな
安全運転スタイルで,この曲独特のブラームスの青春の鬱屈感が全然出て
いない退屈な演奏.
下野−大フィルとピアノソロとが同じメロディーで掛け合いになるところなど,
両者の表現の幅の格段の差がはっきりと出ていた.

ブルックナー(Mr.S編曲)のアダージョは,ガイシュツどおり大編成の
中のピアシッシモが実に見事!
大フィル弦セクションの実力のほどを存分に堪能させてくれた.

そしてラストのシューマン4番!!
実に素晴らしい名演だった!!
予習に,バーンスタインとショルティ(どちらもオケはウイーンフィル)で
それぞれ何度か聞いたが,それらに優るとも劣らない実に堂々たる見事な演奏!!
一緒に行ったセミプロ級の友人(非常勤講師として音楽系大学でイタリア語と
西洋音楽史を教えている)も盛んに感激していた.