大学時代の同僚レジナルド・マズグレーヴについてホームズいわく
「彼の高慢と見られるものは、生まれつき極端な自信のなさをかくす努力のように
ぼくには思われた。外見はひじょうに貴族的なタイプの男で、やせて鼻は高く、
目が大きく、態度はものうげではあったが、きわめて上品だった。
〜中略〜
彼のあお白くするどい顔とか、頭の動かし方などを見ると〜略〜」
阿部知二訳『回想のシャーロック・ホームズ』より引用。

またチャールズ・オコンネルいわく
「私は、『人を泣かせたかったら、まず自分が泣かなければならない』という
ホラティウスの助言が正しいとは、一度も思ったことはない。
音楽家であれ誰であれ、感情に身をゆだねることができる芸術家を私は知らない。
一度でもそんなことのできる音楽家を私は知らない。そんなふうに身をゆだねる
というのは、観客が金を払って楽しむ贅沢である。演奏家は他のことで頭が
いっぱいだし、またそうでなければならない。確かに感情は芸術の原動力と
なるものであるが、感情そのものが芸術ではない。感情は自然に起こるものだが、
音楽や絵画は、感情を純化し、伝達し、再生する手段、本質的に反自然的な
手段であって、本来、演奏家が感情を自分の思うままにするために考えられた
ものではないのである。
〜中略〜
ある種の傲慢さにもかかわらず、ハイフェッツが実は内気で非常に控えめな
人間であるということを考えるなら、彼がよそよそしく、冷淡な印象を与える
理由もわかるだろう」
山本一太訳『レコード・プロデューサーの見たハイフェッツ』より引用。