>>351
今回の演奏は、公平に評価するためには外部環境(聴衆)があまりにも悪すぎ、
大植音楽監督の後期ブルックナー解釈の問題や大フィルの演奏への批評にまで
皆さんなかなか踏み込めずにいらっしゃるのではないではないかと、私自身の
心境から推察して、勝手に想像いたしております。

昨晩のブルックナー交響曲第8番の演奏は右肩上がりというか尻上がりに
大植−大フィルのエンジンがかかっていって最後にはまことに堂々たる
大フィルサウンドがフェスティバル・ホールの大空間に鳴り響き、一応
「終わりよければ...」という形で締めくくりをつけることができたと
感じました。

しかし、今回は Hr, WagTub があまりにも不調すぎたと思います。もちろん
これには皆さん(もちろん私も人一倍に)憤っておられる演奏開始冒頭に
起きた演奏大妨害事件の悪影響があったことをお察しになり、皆さん敢えて
あまりふれられていないのだと思います。私も決して書きたくて書いている
わけではありません(当然です)が,昨晩のこのセクションの出来は
近年の大フィルでもちょっと記憶にないほどの絶不調で、このことが演奏
全体の質を大きく低下させてしまっていたことは指摘しないわけにはいか
ないでしょう。残念至極ではありますが......

大植音楽監督の後期ブルックナー解釈も、すでにご指摘もありましたとおり、
試行錯誤の道半ばであると感じました。もちろんこれは批判ではなく、
まだまだこれから大いに試行錯誤を重ねて頂いて、大植−大フィルの
ブルックナーのスタイルを時間をかけて確立していかれることを希望して
おります。
ただその際、ご自身の解釈の個性を打ち出されるためにいわゆる「ブルックナー
休止」の誇張的表現といった即効性が高くしかも容易に実現できる技巧に
頼ることなく、堂々と王道、正道を歩む風格ある格調高いブルックナー演奏を
聴かせて頂けることを切に願っております。