●リヒター79年盤について。

これは「傷つき、疲れ果てた理想家の姿」では決してない。
58年盤のように神の受難を俯瞰して我々に提供するのではなく
神の前に一人の人間として頭を垂れ、祈り、歌う演奏なのだ。
【受難劇】としてならば58年盤だろう。しかしもっとリアルな
等身大の音楽を聴きたいのなら79年盤。
矛盾するようだけれど、79年盤を聴けば「三種類のうちどれがベストか」
などと気にならなくなるはず。

値段は高いが未聴の方は是非に。