実際に聞いた者にしかわかるまい。
芸術家・松田理奈の真価は。

聞かぬ者の戯言は聞かぬ。

恐らく彼女の演奏に触れた多くの者は
ため息とともにその千変万化する音色の妙を
賛美するに相違ない。

ここまでビシュアルと音楽が一体化した事例が
過去にあっただろうか。

彼女の切ない視線、官能的な姿態、純粋な肌、
すべてが音楽に奉仕しているのだ。

彼女が音楽を美しく奏で
音楽が彼女を美しく照らし出す。

この幽玄な相互補完性こそが
松田理奈の芸術と言わずして何であろう。

少なくともフランクは私が過去耳にした最上のフランクであった。

松田理奈の奏でたフランクの世界の中で、私も、いや
それを聞いた多くの聴衆がこれからの生を生き続けることになるであろう。