山田晃子で印象に残っているのは、ロン優勝後に聴いたガラコンでのベートーベン。
コンクール選曲と同じで当時16歳だったが、演奏は結構立派なもので関心したもの。
その後ガラコンでのモーツアルトやフランス国立管との共演を聴く予定だったが、
いずれも体調不良でキャンセルし、今回のブラームスが2回目。
4年ぶりに見た印象は、初めて聴いたときの堂々とした姿に比べ、今回は随分
立ち姿が小ぶりに見えたことだった。
第1楽章は比較的淡々とした演奏で、第2主題からカデンツァでの歌い込みは
パリを拠点にしているだけに、結構綺麗な音色だったが、トリルで駆け上がる部分は
ややもの足りなさもあった。2楽章は良かった。優美だったし、表情付けも良かった方だ。
第3楽章主題後の全音階上行の緊迫感は無難なところだったが、以後リズム感は
やや不安定な面もあり、結尾に向かう最後の技巧の見せ所で運弓を外した。
ここで曲風はトルコ行進曲風のチェロ3連符で始まるのだが、この数秒合間に
「ごめんなさい」と囁きがでた。この結尾は冒頭動機を変調で強調してゆく聴き所な
だけに、正直なところ「まさか、止めちゃう・・・」と思わせるほど、ドッキリした。
後はなんとか快活に弾き終えた。
ベトに比べれば69点。2楽章当たりから、左肩を随分と気にしていた。ベトの時は
もっと弓使いは大きかっただけに、コンディションにやや問題はあったかも知れない。
角の取れた音色は結構好みなだけに、次回のメンデルスゾーンに期待したい。

南紫音は本当に良く頑張った演奏だった。ショスタコはガリったり、キー付く
ことも多い曲。歯切れや精緻な面では、諏訪内、庄司にはまだ及ばないものの、
3楽章のパッサカリアの変奏や長大なカデンツァも良くこなした。4楽章は終盤の
ロンドの重音叩き付けからコーダまで良く盛り上げていた。
IPの傷は、ステージに現れた時に感じられたが、良くプレッシャーを新たなバネに
したと思う演奏で、次回を楽しみにしたいところ。
松田理奈と正戸里佳はまだ聞いていないが、両人とも近々、東京で
リサイタル公演の予定がある。プログラムは結構しっかりしたものだが、
私的にはコンチェルトで機会がなければ聞かずじまいかも・・・。
他では神尾真由子、木嶋真優、米元響子、川久保賜紀は何度か聴いている。