音楽の抽象化表現と文学・絵の想像を混同してはいけない。
想像は仮想的なもの。要するにウソ。文学で出てくるストーリーは基本的にはウソ。
恋愛にしろ、戦争にしろ、実際に起きてないことを書いている。絵も同じ。

音楽で示される不安・幸福・勇気・恋愛はウソではない。これらの感情の抽象化表現。
万有引力の法則と同じ。運動方程式と同じ。実際には摩擦とかがあるから
方程式通りには物体は移動しないが、ウソではない。人間の精神と関係なく、
物体の移動はほぼこれに従うと考えてよい。
音楽なら、感情は楽理とそれに基づいた絶対的音楽通りに描かれると思ってよい。
ただし、摩擦と同じように、スコアだけでは現実の感動にはならない。それ以外の部分も重要。
この違いが生まれるのは、音には具体的意味はなく、コードだけがあるから。
絵や文学にはコードはなく、具体的意味だけが存在するから。
 必然的に絵や文学は個人の主張になる。特定の思想・精神性を表したものになる。
 必然的に音楽は人間が自ら支配できない感情表現になる。

クラシックな器楽曲や交響曲は歌唱を除いているが、これも言葉が入ると抽象性が消えるから。
ただ、人間の声はこれ以上ない音楽的な音だから、ストーリーがなければ
絶対音楽になり得る。