あるてみす
私も24日、新宿区民オペラの外套を観てきました。
会場の扉を一歩入ると全客席ごと巨大な船に乗ってセーヌ河に浮かんでいるような配置、
足を踏み入れたときから気づかぬ内に演出のマジックに心地よく導かれ、
乗船とともにボルカローレ。
哀しみと不安を含んだあのにび色の和音に滔滔と流され体ごと浸ってゆこう。
舞台中央にキャビンを臨む。この船にはあらゆる人生のソースが詰まっているのだ。
フラーゴラのかばんの中に詰まったとりどりの小っちゃいがらくたみたいな人生模様が。
ロン、ロン、ロン♪・・・紡ぎ合う、人生を。屋敷の小間使いでいるより、あばら屋の主人でいる方がいい、ロン、ロン、ロン♪
・・・紡ぎ合う、客席と。
どんな人生が素敵か、しあわせのかたちを探して。
こうして舞台と対話をしているのだろう観客の眼差しのなんと真剣なこと、隣や後ろの客席と顔を見合わせ、
共感を伝え合うことすら初めて・・・そんな一体感、そして臨場感。 舞台のアロケーションを巧みに生かし、
花道のボーディング・ブリッジから現れる、船をとりまく人物たちに、それぞれの人生の悲哀を思う。労働者、お針子達、物売りの友人、
そして恋人たち・・・プロセニアムに余すところ無くさまざまな人間模様が描き出される。