レコ芸7月号に「栄光の1960年代」が特集で載っている。
1969年(58ページ)の冒頭のepoch1に、この年来日のリヒター/ミュンヘンバッハがある。

1960〜1970年代は、リヒターをはじめとして本当にすごい演奏家が多く来日したものだ。
昨今の、金儲け主義の主催者の、ファッション化したコンサートとは違っていた。

あの頃は、LPレコードが主流で、勿論CDは無く、映像も殆ど無く、もっぱら音楽を耳で
聴くことから、いろいろなインスピレーションを沸かせながら聴いたものだ。

おそらく当時の演奏家達も、最近の演奏家達とは比べものにならない位、楽譜を深く読み
込む時間があり、その人ならではの個性的な演奏が出来たのだと思う。
古楽器をはじめとする最近の演奏は、客観性を重視する余り、どれもこれも同じような演
奏になっているきらいがある(客観性と言っても、あくまでも今という時代だけのものだと
思うが)。
それが証拠に、例えばあの時代のリヒターのように「バッハのスペシャリスト」と言われる
演奏家は今はいないような気がする。