リヒターの「マタイ」「ヨハネ」両受難曲は、まるで目の前でキリストの受難の出来事が
起きているようなリアルさがあった。
おそらくリヒターはミュンヘンに移ってから、ミュンヘン郊外のオーバーアマウガウ
で10年に一度村人たちが上演する世界的に有名な「キリスト受難劇」を観劇したのだろ
う。そこで多くのインスピレーションを得て、自分の演奏に生かしたと思われる。
あの演劇での澄み切ったコーラスの発声が、ミュンヘンバッハの発声に通じる事を、
受難劇をナマで観劇して実感した。