なんといわれようと、ちあきなおみだ。
ずっと、マリア・カラス、ロッシーニ、そうしてバロックオペラを聴いていて、
意外な感じがするかもしれないが、この人は大変な天才だ。
ふつう、歌手は、年をとるにつれて、衰えた声に技巧をこらして、
「うまいな」という支持をうけるのが、クラシックだろうが、ポップスだろうが
常道といえるが、このひとは、歳をかさねるごとに、余分だとおもったところを
きりすてていく、というまったく逆の道を選んでいる。
初期のボリューム満点の歌唱と、90年以降のそれをくらべると、
そのことがよくわかる。
そのたびに歌が自然に心に入ってくるようになる。