86年10月のサントリーホールオープニング、
若杉/都響の「千人」は私も聞いた。
初めてのサントリーホールだった。
若い人には信じられないかも知れないが、
冒頭の拍手の音からして「これは!」と凄みを感じさせるような
ホール音響の初めての美しさだった。

・・最後の和音が響き終わった後、「うわーッ」というような
異常に興奮した聴衆の叫び声と温かく熱烈な拍手がホール全体を
揺るがした。聴衆は機会あれば前まで押し寄せてきそうな勢いだった。
ヴァイクルがあちこちをゆっくり向きながら微笑んでいた。
初演時の興奮もかくや、と思わせるような聴衆の喜びの大爆発。
私は演奏と音響の素晴らしさに涙が止まらなかった。美しい思い出。