>>555さん
この両曲の類似性は良く言われていますよね。
しかし、これを学説レベルで証明した論文は、私は寡聞にして知らない
です。あるのなら参照可能なソースを教えてください。

私は、特にベトのほうは古楽器の演奏の盤も持っておりますが、
影響の可能性については、どちらとも言えない、というのが正直な印象
です。当時の音楽というのは、この2人に限らず、一見たいへん良く似て
いる場合が多いため、学問的に慎重な結論を出すには、
この2作品だけを比較するのみでは全く不充分だからです。
実際、B氏の作品と、C氏の作品とに類似性が認められるが、実は、
両作品ともA氏の作品を模範としたものであった、というケースも当時
は珍しくありません。似ている=その人から影響を受けてる という発想は、
どなたかも書かれていたように、ロマン派以降の芸術家観に捉われすぎて
いる、とも言えると考えます。

それと、あなたの仰ることで気になるのですが、「普通の愛好家には十分」
とはどういう意味ですか?誰にとっても客観的事実は1つですよね。
人によって事実が変わってしまうのですか?

なお、付言すると、このクインテットは数あるベトの初期作品のなかの
たった1曲に過ぎません。これをもって「ベトの初期作品全体」に
「モーツァルトの作品こそが最大の影響を与えている」と結論づけるのは
余りにも根拠薄弱です。このクインテットが、仮にモツの作品を
100%コピーしたものだったとしても、です。当時は、アリアは
イタリア風の様式で、合唱曲はドイツ在来の様式で、と言った
具合に、ひとつの作品の内部でさえ、その模範とする様式が異なり、
使い分けられたりしているからです。