結果として、ハイフェッツは技術に偏りすぎている。表現に関してもっと心を開ければよかった。彼の性格上それが超えられぬ壁だったと思う。
芸術性に関して最高のものを探求する情熱は素晴らしい。でも、それは自然体の中から生まれてくることが最後までつかめなかった人だと思う。
技巧を極めた後は、豊かな感情と音色を共鳴させることを追究する番であったが、そこが未完のままだったと思う。
晩年になっても、自己の技術にひときわプライドを見せる彼のしぐさから彼の芸術の領域が洞察できる。