アーノンクールは思いも寄らなかったところから作品に光を当てる。
一度作品をバラバラに解体して再構成する。
耳たこだと思っていた曲が今まで聴いたことがなかった曲に聞こえる。
その意外性に最初は驚き、怒り、時には罵倒したくなる。しかし、聞き込んでいくと実に綿密に計算された
解釈であることがわかり、聴けば聴くほどうならされる。それは単なる解釈と言うだけではなく
作品自体のすばらしさの再認識にもつながる。

最初の段階でいやになってしまったら単なる変人、田舎もの、変態etcなどと思いたくもなるだろうが、
そこを越えたところに本当の快楽、じゃなかった感動が待っている。

そして、変態とかいわれると「俺は変態ですけど何か?」と言ってはばからなくなった自分を発見するだろう。
むしろアーノンクールファンにとっては罵倒こそ最大のほめ言葉となるのである。