ニコラウス・アーノンクール
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0689名無しの笛の踊り
2006/11/07(火) 06:41:01ID:a6mP1L3Eアーノンクールのブルックナー(上)
ぼくは、アーノンクールが作り出す音楽にいまひとつ馴染めずにいた。
それはどこか彼の音楽に、人工臭を感じずにいられなかったからだ。
ベートーヴェンにしろ、モーツァルトにしろ、まったく魅力を感じない。
威嚇するようなフォルテ! モーツァルトが悲しんでいる気すらした。
ブルックナーも同様で、金管がうるさすぎたりして、ブルックナー特有の神々しさが消し飛んでしまうのが常だった。
最近、ぼくの周りではアーノンクール、アーノンクールと騒ぐ人がずいぶんと増えた。
わざわざ、海外まで聴きに行く人がいるほどだ。
そういう人たちは口を揃えて「アーノンクールは変わった」と言う。
折しも、今年のウィーン・フィルの来日公演はアーノンクールが振るということなので、思い切って聴きに行くことにした。
ぼくはCDだけで演奏家を判断しないように気を付けているが、近頃はコンサートに行くのも億劫になってきた。
なかなか気がすすまなかったが、周りの勧めもあり、サントリーホールまで足を運んだのだった。
演目はブルックナーの5番。ぼくは7番よりもこちらを好む。
終楽章の大フーガなど、ブルックナー以外には決して書けない音楽だろう。
アーノンクールはウィーン・フィルとCDを出していて、それはまったく感心しなかったが、実演はどうなのだろうか?
こんなに聴く前に不安な気持ちになるコンサートも珍しい。
そんな事を考えていたらアーノンクールが出てきて、演奏が始まった。
その瞬間、ぼくはのけぞった! なんという深淵なひびき!
常に外面的な音楽を演奏してきたアーノンクールだったが、ここに来てついに、精神性を獲得したのだとぼくはすぐにわかった。
ピアニストではアラウやルービンシュタインがいるが、指揮者でこれほど大きな変化を遂げた例はぼくは知らない。
強いて挙げるとするならばヴァントだろうが、アーノンクールの様な人間がこうも純真な音楽するとは!
ぼくは本当にたまげてしまった。
(下に続く)
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