同様に名門でも、ブロムシュテットが指揮するドレスデン・シュターツカペレの演奏は、ゲヴ
ァントハウスとはまったく方向性が別だ。日本では伝統の響きなどといっしょくたにされてしま
うが、とんでもない。ゲヴァントハウスより柔らく湿り気を帯びている。女性的と言ってもいい。
街とゆかりがあるウェーバーの作品を演奏して、微妙なエレガントさのある音楽を奏でている
のはさすがだ。オペラティックな雰囲気が強いのもおもしろい。電車で2時間もかからぬドレ
スデンとライプツィヒだが、文化も音楽性も全然違うのである。ブロムシュテットは若いうちか
らこんなすごい楽団を指揮していたおかげで、名指揮者だと誤解されてしまった。