ある朝、電話が鳴りました。私は、オーケストラの音楽家たちがよく真似ていた、あのとても
特徴のある声が「もしもし、こちらはオットー・クレンペラーです」と言うのを耳にしたんです。
最初、冗談かと思いましたが、全然冗談ではなく,まさに本人で、『水の太陽』が演奏される
演奏会のリハーサルに出向いてもよいかと私にたずねてきたのでした。彼はやって来て、最初から
最後までリハーサルを注意深く見守っていました。…中略…もっと後になって私がバイロイトで
『パルジファル』を指揮した時にも、彼は同様に来てくれました。『パルジファル』は、その
思想的な内容から彼をひどく苛立たせていました。「どうやって君は、あの偽ー宗教的なガラクタ
の山に耐えられるのか?」と彼は私にたずねました。