畏くも天皇陛下をはじめ皇族の御方々がお隠れ遊ばされた場合などに、先ずもって
TV・ラジオ放送はじめ公共の場での「歌舞音曲」が禁止される。これを、
皇族方がお隠れ遊ばされたのに下々の民が浮かれていてはいけないからだ、と勘違い
している向きも特に今の現代には多いようだが、歌舞音曲禁止はそういう意味ではなく、
元々歌舞音曲に携わっていたのが最も下賎な階層の者たちであり、日本古来、特に
平安の都においては、それらを「穢(けが)れ」として忌んでいたことに因る。
古来、歌舞音曲に携わる者のうち女はほとんど全て売○婦であったことは、我が国
のみならず世界各国の文化文明に共通する事象である。
我が国は明治以降、列強に伍して世界に雄飛して行くために万止むを得ず「和魂洋才」
の戦略を採用し、多くの範を西洋に求めたため、西洋古典音楽と謂うと何か高尚な
ものででもあるかのような錯覚が蔓延する結果となってしまったが、本場である西洋の
歴史を少しでも知っている者なら、西洋に於いても元来、音楽に携わる者は初めは教会、
後には王侯貴族に召抱えられた下男のような階層であったことは常識に属することを
知っていよう。王侯貴族の宮廷の楽士など、領地農園の作男や厨房の荷運び人夫と同等
或いはそれ以下の地位しか認められていなかったことは周知のことである。
従って、楽団員の給料がバス運転手やごみ収集業者に比べれば安いことなど、こうした
経緯に鑑みれば、全くもって理の当然のことといえよう。