>>86
ベートーヴェン後期はピアノ弾きの目線で聴くともうぜんぜんダメです。
アゴーギクは性急だし、演奏技術面では音を消すタイミングが遅れ気味です。
意識的に遅らせてゴージャスな響きを作る部分と、なんとなく遅れてしまった部分が
入り混じってめちゃくちゃに近い。ポリーニ本人はあれで良いと思ってるようですが、
昔はもっとビシッとコントロールしてました。
自分でベートーヴェンのソナタ弾かない人はあまり気にならないかもしれませんが、
ポリーニを良いと感じる人は音楽の聴き方が大雑把というか、ディテールにこだわらない
人だと思います。ポリーニ自身も自分の演奏を大雑把にとらえてると思うので、波長が
合っているのでしょう。ディテールにこだわるピアニストが多い中では個性的なのです。
現代のピアノ演奏の価値観からディテールを取り去ると何が残るのか、という命題が
ポリーニの演奏を聴くと見えてきそうでなかなかおもしろいです。