デジタルを過信する録音エンジニアの耳の悪い実例を示唆しておきたい。
1980年代、NHK−FMでNHK交響楽団の定期公演の放送は、番組の編成上、
前半のコンサートをPCMデジタル録音して、そのまま生放送された後半コンサート
が終わったあとから、それを再生して遅れて放送するという変則に執り行われていた。
お陰でリスナーは同じオケから、後半のデジタルプロセスを経ない生の音とデジタル
録音された前半コンサートをFMチューナーというメディアを通じて比較することが
出来た。この差はFMを通じても歴然だったが放送局のエンジニアは、電波で送り出す
前のミキサーからのを手元のモニタースピーカーで聴いてもデジタル、アナログの差
は聴き取れないからリスナーに判るわけはないと主張していた。エンジニア、プロデューサー
の耳はこの程度なのである。