さて、バッハのアリアですが、その前にチェロ組曲6番のプレリュードで
説明したいと思います。

(八分音符を一拍と数えますが)2拍目、5拍目、8拍目、11拍目、の
移弦して出すDですが、管楽器でこの効果を出すのは、かなり難しいと思われ
ます。 まず基本的に必要なこととして、音程のイメージを胸の中に持つこと
が要求されます。(カザルスのうなり声は、そこが鳴っているように聞こえます)
しかも単に胸の中でなく、何らかの感情を抱いたときに衝動を感じる部分に音程
のイメージを置かなくてはなりません。さらに、音程を真に連続して鳴らさねば
なりません。 
ここまでのことも、大抵の人には難しく、数時間ずつかなりの回数のレッスン
をしても、時々できれば良い方です。 ただこの難しさは、普段人が自分の感情
を見続けることをする習慣が無い為で、何か精神的に大きな出来事があったとき
などは、レッスンでいきなりできてしまうこともあります。

ここまでができたると件のDですが、1拍目から2拍目にかけて、胸の中で音を
押すことができ、結果として2拍目の効果が生まれます。また、2拍目の終わり
で胸の息を吐ききることができ、3拍目が生き生きと出せます。

まとめておきますが、胸の中の感情によって衝動を感じる部分に、音程を真に
連続して鳴らすことができると、普通ではできない方法で音を押すことができる
ようになるのです。

(続く)