カイルベルトのリングは全部出揃ってもポピュラリティを
獲得することはないような気がする。
日本でのポピュラリティは話題性が先行するため、必ずしも
演奏内容とは一致していない。
ただ、演奏を聴いた限り、これは本物のワグネリアンと、
隔たりなく真摯に音楽を聴く人たちからは間違いなく絶大な
支持を得るだろうし、個人的にはそれでいいとも思う。

個人的にはジークフリートは本当に素晴らしかった。
鳥肌が立つくらいに。
でもヴァルキューレと神々のたそがれを聴くまでは、絶賛は
まだ押さえておきたい気持ちがある。
ヴァルキューレの叙情とヴォータンの深い人間的感情(
ヴォータンは神々の長にして、もっとも人間的なキャラクター
だと感じる)をどう表現しているのか。
神々のたそがれの難しい心理劇をどうさばいているのか。
これらを聴くまでは。
期待と不安の入り交じった気持ちで、続きが出てくるのを
もちろん楽しみに待っている。