ベートーヴェン ピアノ・ソナタ総合 その5
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0245名無しの笛の踊り
2006/02/20(月) 09:13:53ID:P3JQBCqjあれほど眩かった太陽も、今では地平線の彼方に沈みゆき、
少年時代に亡き友人とともに駆けた谷は、闇に閉ざされつつある。
そうだ、もう夜なのだ。
この丘の頂から、私たちの生が息づいている大地を見遥かしても、
そこには誰の姿も見当たらない。
今ここにこだまするのは、いつもの牧童の歌声ではなく、
ヴェデルニコフのベートーヴェンだ。
どういうわけか、孤独な晩には、ヴェデルニコフのベートーヴェンが、
あたかも巡礼者のごとく、いずこからか私のもとを訪れ、
そして未知の異郷へと過ぎ去って行く。
私も黒衣の巡礼者と共に、未知の異郷へ行きたい。
きっと、そこには、私が夢見た豊穣なる大地が広がっているに違いない。
そしてその大地の天空には、見たことのない神秘な星座が、
幾千もあるに違いない。しかし、それに見惚れているうちに、私は、
再び浮世に戻れぬ定めを背負うかも知れない・・・
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