ショーロの原風景はというと、中南米の街角が目に浮かぶ。別にブラジルに限らなくてもいい。
適当に暑い小都市の街角ならどこでもかまわない。

活気にあふれた一日が終わろうとする頃、早めに店じまいをした床屋のおやじが友達を集めて
いそいそと支度をする。
ピザ配達のにいちゃんはギタロンだ。4弦しかないから弾くのは難しくない。そして、自分は
祖父から譲り受けた古いヴァイオリンが自慢。伴奏は通りの掃除をしてるじっさんがギターを
持って馳せ参じる。
さぁ、今日も街へ繰り出そう。

夕暮れ時の街角にギタロンのふくらみのあるリズムが響く。
ドーーーソ〜〜〜、ドーーーソ〜〜〜と温かみのあるのどかな低音に包まれて、じっさんがギ
ターを鳴らす。今は自分が主役だからと張り切ってリズムを刻む。ズッチャーチャ、ズチャー、
親から仕込まれたキザミ方で、独特の間が彼の自慢の種だ。道を掃除しているときの疲れた表情
は微塵も感じられない、生き生きした笑顔でギターを弾き始める。
真打は床屋のおやじだ。
楽の音が整うと、いよいよむせびなくようなメロディが鳴り始める。
子供の頃から聴いている有名なメロディだが、このおやじが弾くと味がある。古びたヴァイオリン
から紡ぎ出せれるメロディは道行く人の耳に止まり、小さな人だかりが出来始める。
それぞれの思いをのせて弾かれるショーロ。
その楽の響きにこころを遊ばせる街の人。
そう、ショラン(ショーロ弾き)たちはこの街のスターなのだ。
今日も夕暮れ時には、そこかしこにショラン達が楽器を持って素敵な音楽を奏でている……

というような雰囲気の「鐘の音」が弾けたら最高ですね。