こんな夜更けに、闇と風の中に馬を走らせるのは誰だろう。
 それは父と子だ。父はおびえる子をひしと抱きかかえている。


父  「息子よ、なぜ顔を隠すのだ」
子  「お父さんには魔王が見えないの。検察の仮面をつけて、僕を逮捕しようとしている。」
父  「あれは、次の忘年会の新しいパラパラのバリエーションだ。」
魔王 「かわいい坊や、一緒においで。君の命を狙うやつから守ってあげよう。」
子 「お父さん、お父さん!きこえないの。魔王がぼくを丸裸にするよ。」
父  「落ち着きなさい。金で買収すれば済むのだから。」
魔王 「いい子だ、私と一緒に行こう。裸になって独房で面白い遊びをしよう。」
子  「お父さん、お父さん!見えないの、殺された野口英昭の影が!」
父  「見えるよ。だが、あれは殺されたのではなく自殺したんだ。」
魔王 「愛しているよ、坊や。お前の丸裸が見たくてたまらない。力づくでもつれてゆく!」
子  「おとうさん、おとうさん! 魔王が僕の株を紙屑に! 魔王が僕の43畳のリビングを3畳に!」