「・・・・ブラームスでのオーボエのソロは、まるで天使の翼が抑揚をつけているような、
人間業とは思えないほど、美しいものでした。・・・カラヤンはたいして振っているわけじゃないんだけれども
そのオーボエのソロから突然カラヤンが見違えるようなものになったのです。そしてオーケストラ全体が変わってきたのです。
・・・・・安永徹さんに会ったら
『きょう私たちは本当にいい仕事ができた。親方があんなにいいことをしてくれたのはこの演奏旅行中はじめてでした。
・・・・なんたってオーボエが信じられないようなことをやって僕らを引っ張ってしまった。そしたらカラヤンさんもぜんぜん変わっちゃった。
・・前の日私たちは惨憺たる演奏をしたのですが、今日はそういうことでみんながほんとうに好きなように演奏できました』

オペラをつくる(岩波新書)