フィルハーモニアとのベト全は、確かに一番若々しく覇気に満ちた
素晴らしい全集だと思う。
でも、個人的にはオケの魅力が…。
50年代のフィルハーモニアはフィルハーモニアの歴史の中でも
黄金期だったと思うけど、どうもベートーヴェンには似合わない
音色に聴こえてしまう…個人的な好みでの話です。

60年の全集のベルリン・フィルを聴いていると、この時期の
ベルリン・フィルにとってやっぱりベートーヴェンは特別な作曲家
だったんだろうな、と思わせる何か強いものを感じるんだよね。
つい数年前までフルトヴェングラーの下で散々演奏してきた
ベートーヴェンへの強い思い入れみたいなもの…。

カラヤンの棒の下でも、どこかその思い出を消すまいと必死に
なっている印象があって、それが「オーケストラはドライブするのでは
なく、キャリーするのです」と公言していたカラヤンに、ドライブせざるを
得ない状況を作り出していた(SACD全集の9番のリハを聴くと、ベルリン・
フィルを必死に引き摺ろうとしているカラヤンとオケとの緊張感が、
手に取るようによくわかる)。
それがまた60年代のベト全ならではの魅力にもなっていると思う。