ニルソンの追悼記事を読んでると彼女のユーモアやウィットのセンスに触れたものが多いね。
俺が好きなのは次の二つ

・ニルソンのご主人がスウェーデンでホテルやレストランのチェーンを経営してることはよく
知られている。ジークフリートの公演であるとき、ヴィントガッセンが眠れるブリュンヒルデの
鎧を外しにかかったところビックリ仰天。胸の上にはなんとご亭主のホテルから持ち出した
と思しきドア・プレートが・・・。 DO NOT DISTURB !

・1967年だったかカラヤン指揮・演出ののワルキューレに出演したとき。あまりに暗い照明に
文句をつけたが照明効果に拘るカラヤンはもちろん認めなかった。リハーサルになってニルソン
はなんと炭坑夫の照明付きヘルメットを被って現れたのだった。カラヤンは下を向き、彼女の
方を決して見ようとはしなかった。

この種のユーモアに不寛容なカラヤンが怒り心頭に発したことは想像に難くない。けっして
許さなかったろうね。そのすぐ後にDGはニルソンをダブルキャストにタンホイザーを録音
してるが、最初カラヤンの予定だったがキャンセルしたと未だに噂が絶えないのもこのあた
りが原因か。録音は結局プロデューサーだったオットー・ゲルデスが担当して完成したけれど。