演奏時間こそ1時間内外の作品ですが、スケール感というのが大規模で構造性を
聴く者に与えるという意味なら、この作品はスケール感を目指すべき作品ではあ
りません。
広上氏の演奏は、極めて情緒面を強調したロマンティクな演奏です。繊細さだけを
強調するガッティやティルソン・トーマスとは違って、ある種の骨太さを感じるの
は、他の指揮者に比較して、強弱・長短の振幅を大きく取っているからでしょう。
指揮者のこの曲目に対する思いがストレートに伝わって来る情緒的な演奏なので、
リスナーによっては好き嫌いが分かれるでしょう。
突き放したクールな演奏とは違って、のめり込むような指揮・演奏には勇気が要る
ものです。その勇気に拍手します。