「遠鳴りがする・・・」っていう言葉も迷えるバイオリニストに決断させる殺し文句になるらしい
しかし、この「遠鳴り」はほぼまやかしらしい
本当にいい楽器は、耳もとでもそれ相応の良い音がするということのようだ
よくストラドのような古名器を試奏したバイオリニストが思いどおりに鳴ってくれないと素朴な感想を漏らすことがある
そのような時に悪徳業者はすかさず
「ストラドのような名器は暴れ馬を扱う覚悟で慣らしていく必要があります」
「しかしひとたび鳴り始めると、さすがストラドだと実感するはずですよ」
などと言うらしい
哀れなバイオリニストは、そんなものなのかと信じるらしい
しかしそのストラドが真か贋かという問題は別として
暴れ馬のようなバイオリンは演奏用の楽器としては価値がないことは確かな話のようである