「怪獣の名はなぜガギグゲゴなのか」という本が出ている。実は読んでないのだが、書いて
あることの予想はだいたいつく。だって、もしゴジラがコジラだったり、ギャオスがキャオスだ
ったりしたら、間の抜けることはなはだしく、怖さが消失してしまう。そんなわけでゴロワノフで
ある。怪獣ではない。人間である。職業は指揮者だ。しかし、このゴロワノフの指揮によるスク
リャービンの「神聖な詩」はまさに怪物的演奏である。まず、冒頭からギャオスの雄たけびの
ような金管の咆哮にぶっとぶ。主部に入ってからも、音程が微妙に怪しい。縦の線がずれ気
味。大波に揺られる船のように、テンポがめちゃくちゃ揺れる。コーダなど、フルヴェンとシェ
ルヘンを一緒にしたような、意味不明の加速だが、それでいて、第二楽章の弦などが妙に艶
かしく、ああ、やっぱりロシアだ、と思わせる。濃厚な「神聖の詩」に較べると、「法悦の詩」は
、よっぽど普通の演奏。録音は、「神聖な詩」が1947年。強音がややつぶれ気味だが、鑑賞
には問題ない。1952年の「法悦の詩」はもっとクリアだ。とにかく、あたりを憚らず号泣するよ
うな、ちょいと下品な演奏だから、是非アシュケナージかムーティ盤も用意しておいていただ
きた

投稿者: 七海耀 from さいたま市 (Jan 25th 2006)