確かに千葉氏の著作はよく調べて書かれており興味深い部分も多々ありますが,全体としての内容的には満足できませんでした。
ヴォルコフの「証言」を否定しながら,基本的にはそのバックボーンの上に書かれているように思います。
反体制的であると説明できる作品の評価が高くて,体制的な曲を駄作と決め付けるのはショスタコーヴィチに対する冒涜だと思います。
そもそも本当に反体制的だったら亡命していただろうし。
最高会議の代議員や作曲家同盟の議長を務め,庶民とはかけ離れた特権階級的な生活をしていたのだから,
心情的にどうだったかは別として,反体制的という説明は当たらないのではないでしょうか。
ロストロポーヴィチ,バルシャイ,テミルカーノフなど,好き勝手なことを言ってるけど,
あと20〜30年もすれば評価が大きく変わるのではないでしょうか。
私にはショスタコーヴィチに関する本では,ドミ-トリイ&リュドミラ・ソレルチンスキイ(親友の息子夫妻)共著の
「ショスタコ-ヴィチの生涯」が最も好感の持てる本です。