万霊節のあくる日、アルンカイムの森のなかで牧童のヨーゼフは耳を澄ましていた。
吹き抜ける風とその度に落ち行く木の葉の音に紛れて聞こえる不思議な調べを。
鹿の鳴く声のようでもあり、また鳥がさえずるようでもある。
風に乗ってやってくる調べになびくかのようにたどたどしく歩くヨーゼフ。
やがて静かな湖のほとりで観たのは、ひとりの吟遊詩人と側にたたずむ美しい貴婦人。
鳴いていたのは鹿でも鳥でもなく、吟遊詩人の吹く一本の笛。
やがて貴婦人は見知らぬ国の歌を口ずさみ始めた。。。