弦の編成は小さめ。多分ベーレンライター版使用。フレーズの終わりをちょっと
工夫したり、レガートとスタッカートをきっちり区別したり、古楽器スタイルを
意識していて決して単調にはならないのが面白かったが、ダイナミックレンジが
狭く、大きなうねりは希薄(というより最初からそういう方向に背を向けた感じ)。
時折ヴィヴラートを抑えた第1Vnが目立ち気味なのはともかく、低弦となかなか
ブレンドしないあたりは・・・いや、弦だけでなく木管も金管もとにかく響きが
溶け合わないのは、いかにもこのオケらしいともいえた。(困ったものだ)

日本人で固めた独唱は、4人とも極端な突出もへこみもなかったので安心して聞けた。
敢えて言えば、やや大根役者気味のバス、あまり綺麗な声色とは思えない女声陣に
対し、テナーの安定した美声が一番楽しめた。

合唱はなかなか優秀。細かいところまで指示が行き届いていたし、何よりバランス
が素晴らしかった。
個人的には、合唱が登場して始めて満足できた演奏だったというのが実感。