酷いというか独特過ぎなんだよね。弾き方が。
楽譜の約束事をほとんど取り払ってしまっている。今片耳しかきこえないんだっけ?
強弱も凄いばらばらで結構びっくりする。曲そのものが密度が高く、難解で、
楽譜に忠実に弾いて安定した技術があれば、演奏する側が誰でも凄いと言われるような
作曲者による力量が九割を占めるような曲、例えばベートーベンのソナタとかには
絶対向かない。ショパンのノクターンとか技術的には簡単で小学生でも
弾けるような曲で素人が楽譜通り弾いてもなんら違和感のない曲を彼女が弾くと
たちまち旋律が色を持ち悲しいようなそれでいて美しいような独特な哀愁が
ただよってくるから不思議。ベートーベンは音楽のために曲を作り、
ショパンは音楽家のために曲をつくったとはこの事かと。
明確で誰もが圧倒するような技術はないけれど、不明確でけれども
一部の人は圧倒せざるをえない霊感的な表現力が彼女にはあると思う。
まあ芸術に明確な定義なんて存在しないとは思うけど。