PPはもちろん、他にもさまざまな音楽家との交流が鰤の曲に反映されているが、
ロストロとの出会いも非常に重要であったと思われる。

チェロ・ソナタ ハ長調(Sonata for cello and piano)Op.65[vc,p][3楽章]
(1961/初演1961.7.7 ロストロ、鰤 ジュビリーホール、オールドバラ)

1.対話(Dialogo) 2.スケルツォ-ピッツィカート(Scherzo-pizzicato)
3.哀歌 (Elegia) 4.行進曲 (Marcia) 5.無窮動(Moto perpetuo)

1960年にロストロがタコのチェロ協奏曲1番を英国初演するためにロンドンに来た時、
鰤は初めてロストロに会ったらしいが、そこで曲を書くという話になり、この作品ができたようだ。
数多くの鰤の曲の中で、作品番号がついている中では唯一ソナタと命名されているのがこれだ。
1曲めの「対話」はまさにそう名付けられた通り、不安に揺れ動くような表情から探り合うように絡み合い、
続いてチェロをギターのように扱っているスケルツォ、厳粛なピアノに支えられて切々とチェロが歌うエレジー、
ちょっとタコ風味な軍楽っぽい行進曲と来て、冒頭のテーマをめまぐるしく展開させた無窮動で終わる。
最初の楽章でチェロとピアノが緊密に絡み合って展開していくところが最も聴きごたえがあるんじゃなかろうか。
決して難解で晦渋な曲ではないと思うが、面白く聴かせるのはそれなりに大変な曲なんだろう。
俺は実演で何度か聴いたことがあるが、演奏者によってだいぶ違って聴こえる曲でもある。
後に無伴奏の名曲があるのでこれは埋もれがちだが、なかなかどうして珠玉の逸品だ!