セゴビアがバリオスを弾かなかった理由/引用:現代ギター誌1987年12月増刊号1987年1月15〜17日インタービュー記事
 簡単です。彼の作品の音楽的水準が低いからです。
バリオスの曲は一見民族的な楽しい曲に見えますが、中身が貧弱なため、簡単に飽きてしまいます。
その当時私はギターのレパートリーに不足をきたしていたとはいえ、バリオスのものよりも優れた数多くの作品に取り囲まれていました。
まして、水準の高い曲があふれている今日、どうして彼の作品を弾く必要がありましょう。
 ギタリストとしての彼についてですか?
私がモンテビデオで初めてバリオスに会った時、なんと彼はスチール弦を張ったギターを使用していたのです。
その彼の弾き出す音たるや、ひどいものでした。
そして、彼の左手の指先はものすごいタコができて腫れ上がっていました。
勘違いしないで下さいね。
それは、彼の練習量から来たものではなく、スチール弦を使用したことによってそうなったものです。
その後、彼は私がガット弦を使用しているのを見て真似しましたが、とうとう良い音を出せずじまいでした。
スチール弦で音を弾き出しているうちに、耳の方まで悪い音をすっかり身に付けてしまったからです。
私は、ギタリストとしての彼に高い評価を与えませんでした。
 また、彼の作品を弾きたいと思ったことは、1度もありません。