最後のラフマニノフが終わり、足で椅子を押し込みながら、不適な笑みを浮かべて立ち上がる
ポゴレリチの姿は、今まさに彼岸から戻って来たばかり男。

比類なきストーリーテラーとしての秀逸さには、いつもながらに感嘆しつつ、
自らの身を削って紡いだような彼の音楽は、痛ましいほどの美しさで胸に染みた。