レクイエムとは、キリスト教における典礼であるミサの一種類で、特に
死者の安息を願うために行われるものを指します。
ミサでは、そこで唱えられる文言があらかじめ定められており(「典礼文」
と読んだりします)、音楽作品であるミサ曲やレクイエムは、その定められた
文言(典礼文)に音楽をつけたものです。

典礼文は、いくつもの部分に分かれており、
そのそれぞれが、どのようなミサでも唱えられる「通常(式)文」と
ミサの行われる日等によって異なる「固有(式)文」とに分けられますが、
通常、ミサ曲とは、その「通常(式)文」に音楽を付したものを言います。

大まかに言って、全ての通常式文に音楽を付したものを「盛儀(荘厳)ミサ」、
いくつかの通常式文に付したものを「ミサ・ブレヴィス」と呼ぶ、ようです。
(ここらへんたぶん正しくないのでどなたか補足お願いします)
ですから、どのミサ曲でも基本的に歌詞は皆同じです。

レクイエムは、通常式文以外に、レクイエムの固有式文にも音楽を付した
ものですが、どの固有式文に音楽を付すかは、作曲家によってかなり
違っているようです。
(たとえばモーツァルトのレクイエムとフォーレのレクイエムではだいぶ
違います)
しかし、同じ固有式文を作曲の対象としていれば、当然ながら歌詞も
タイトルも同じになります。
(ちなみに「入祭唱」も「怒りの日」もレクイエムにおける固有式文です)

また、「レクイエム」という語をタイトルに持つものでも、単に
レクイエムの死者を悼む精神に着想を得た作品、というものもあり、
たとえばブラームスの「ドイツ・レクイエム」の歌詞は
ドイツ語訳聖書からの抜粋ですし、
ヘンツェの「レクイエム」や武満徹の「弦楽のためのレクイエム」は
完全な器楽作品です。