>>422
>「受難曲」という言葉はよく耳にしますが、「受難オペラ」とは耳にしませんね。

それは当然だ。受難曲はイエスの受難、つまりキリスト教の最重要テーマを扱った
純然たる宗教音楽・教会音楽だし、オペラは根本的にセキュラーな音楽だ(宗教的な
モチーフを扱ったオペラはあっても、宗教・信仰のために、つまり神を讃えるための
音楽として書かれたオペラはない)。つまり両者は、そもそも相容れない全く異なる
ジャンルだということ。べつにオペラが音楽ジャンルとして蔑まれていたわけではない。

「オペラチックだ」という批判も、「あまりにも世俗的だ」と読み替えて良いと思う。
あるいは、当時イタリア等で流行っていた文字通りオペラチックな要素の非常に強い
カトリック宗教音楽に迎合しないでくれ、という意味もあったのかも知れない。
JSバッハの音楽そのもののスケールの大きさや、激しい劇的効果や演奏編成が、
そのような(後から見れば)的外れな批判をまねいたのだろう。