>>102 基準はいろいろあるでしょうけど、私が重視するのは以下の3つ。
1.棒が見やすい
これは、ビートがはっきりしていれば、という意味ではなく、音楽のポイントで「皆を合わせる
コツを得た指揮」のことです。往年の名匠、山田一雄さんなど「手が震える」指揮でしたが、
演奏するには(慣れれば)実に見やすかった。演奏家にその気にさせる棒であることが肝心。
肉体運動としての「棒振り」の能力は、「指揮者の能力」とはイコールではないと考えます。
 
2.音楽をきちんと知っている
別にスコアを全部暗譜する必要はないでしょうが、曲の中で演奏上問題になる部分をきちんと
把握できているかどうか。
「新世界」の4楽章のトランペットの音型(スプラフォン版と旧版でちがう音を吹く)とか、
シンバルの選択(バチか両手か)など、現場(オケ所有のパート譜)と指揮者の楽譜の食い違いに
いかに早く気が付き、指示できるか。特に、当日練習・本番のコンサートだと、楽譜の違いが理由で
ひと悶着する余裕がないので、練習開始と同時に「あそこは○○で、こっちは××」と明確に指示する
能力が問われます。また、これに関連して「楽譜から音色を引き出す」能力も重要かと。
これは、楽譜の音を自分の理想に近づけるために、練習中に「こういう音」と指示を出す能力。
的確な指示が飛ぶと、面白いように音色が変わるけど、指示がぬるいと「ダメだし天国」で練習の緊張感台無しに。

3.本番で実力(以上?)をきちんと引き出す
練習をきちんとやれば、という問題ではないのが、本番の怖さ。指揮者が、いかに本番で燃えるか、
また、いかに演奏家を燃やしてくれるか。
練習の段階で疑問点が全部すっきりしているときは、安心して指揮者についていけるけど、
棒が見にくいと「落ちないように」というセーブが働いてしまい、燃焼不足になる。
逆に、棒が見やすくても、練習中に問題が解決していないと、「この先、気をつけないと」という
意識で、やはり燃焼不足に。予定の時間きっちりで、すっきりと音楽を作れる指揮者が一番。

もちろん、他の考え方もありますけどね。