第五楽章
ホルンのイ音に導かれ、楽しげな木管の旋律と聴衆の咳がロシアの大地に訪れる。
自由主義とは即ち自由競争である。かつてどの演奏からも聴かれなかった高速テ
ンポと大音量は、まさに「管弦楽のための協奏曲」にふさわしい音のシャワーであった。
演奏によってロシアの現在の経済不安を表現してみせ、ロックコンサート並みの聴衆の歓声は
ロシアの人を「こんな演奏でも支持してくれるとは、底抜けにお人よしだ日本人は」
と感慨にふけたであろう。
ただ、シャワーの温度調節のカランが「冷水」と「熱湯」しかないのはなんとかならな
いものか、と苦言を呈しておく。グラスノスチ(意味はr

なお前半は橋本真也の形態模写で有名な清水和音氏による『戴冠式』が演奏された。
所要は無かったが終演後さっさと帰りましたので、アンコールは未聴です。

【厭う信宏】

2006年1月25日
旭新聞「ゲルギエフ指揮マリンスキー激情管弦楽団東京公演」評より