小林秀雄のエッセイで、すごく好きな文章があります
しばらく絵画について書いていて、音楽から遠ざかった後、急にまたレコードが聴きたくなって銀座へ。
もう新婦ばかりで何を買っていいかわからない状態。レコード店の可愛い店員との会話。

「ラズモフスキイをくれ」「何番にいたしましょう」
「3つともくれ」「演奏は誰のに致しましょう」
「それが、分からないのだが、誰がいいのかね」「お好き好きです」
「新しい奴ほど音がいいだろう」「はあ、音はいいのですが、演奏には少し癖がございます」
「ではその癖のある奴をもらっとこう」
小林はその後「こちらは本当に楽しんでいるのであって、皮肉な気持ちは少しもない、誤解しないで欲しい」と付け加えてます。

文豪が多分孫くらいの店員相手に会話している様と、久々に新しいレコード買うときのわくわくした気分が伝わってきて楽しい。