たしかに私の申し上げていることは音楽をつくる上での「心構え」と言えるでしょう。じつは私は長くフルートをやっています。
フルートの場合、音を出すこと自体はそれほど難しくはないのですが、楽曲にあった音づくりをするのに大変な集中力がいります。
気持ちが緩んでいると音程はとれないし、支えのあるしっかりした音がでないのです。演奏者の技量はともかく、音を出すことへの
配慮と畏れを私はフルートから学びました。
ところがギターの場合、疲れて気持ちが弛緩している状態で弾いても甘美な音で魅惑されてしまうのです。「だから何だ」という
ご意見ですが、音楽と言うのはいわば精神を集中させて行う曲芸のようなものです。だからこそ演奏者の気持ちが届くのだろうと
思います。なのにギターをやっている多くの人の演奏を耳にすると、音に対する配慮があまりないように見受けられるのです。たぶん
日頃から何となく音を出しているのでしょう。何となく音を出してギターの甘美な音に包まれているだけなのです。