朝日のバイエルン評はいい線いっているけど、大事なところを見落としていると思う。
2幕始まりのたき火の薪は、どこからかかっぱらってきた椅子をたたっ壊したもの。
ダーヴィトとベックメッサの喧嘩は市中の騒乱に発展し、街は焼き討ちにあう。
歌合戦は民衆の祭りではなく、オペラの初日の客席を飾るような、
ブルジョワ連中しか集まらない、上っ面だけの“消毒された”社交界となり、
最後に歌合戦の会場を取り囲む、揃いの集団のボマージャケットに包まれた胸=心には、排他的国粋主義が見え隠れしている。
これらの“破壊分子”はみな同一集団。揃いの集団の顔には、
前夜の騒ぎで負った傷があったりね。
彼らは、街の隅っこでたむろしている、職にあぶれ、
未来に展望を持てないた若者たちなんだよ。