指揮者の大町陽一郎がアシュケナージとの共演の思い出をこう語っている。
「モーツァルトのニ短調の協奏曲だったが、とにかくゴツゴツとリズムを固めに
 演奏するように注文をつけ、実際そのようにピアノを弾くので、不本意だったが
 ロシアの熊がモーツァルトを弾くのだとあきらめて本番も荒々しく前奏を進めると、
 リハーサルとはうって変わって柔らかな美しい音で弾き始めた。
 やられた!と思った時にはもう遅い。こういうのをユダヤ的演奏という。」
アシュケナージはそういう演奏家。