ハーンの良さは、フレッシュさ。
それと作品を「自分の音楽」「自分の歌」にしてから演奏する姿勢。
だから気持ちよく聴ける。

しかしよくよく聴いていると、いくつか疑問ももった。
彼女のいわば「健康な」音楽観のうちで作品が
処理されてしまっているのではないか、という点。
彼女の音は確かに綺麗で心地よいけれど、ヴァイオリンという楽器からは
もっといろんな音、例えばもっとダークな音も出せるのではないかという点。

彼女自身が持っている「音楽」は比較的限られているな、と感じた。
それとこれは悪い意味ではなく、アメリカ的感性は彼女のなかで
息づいているな、と思った。上手く説明はできないけどね。

でも、それさえ感じられないひとが多いなかで、音楽性を感じさせる演奏だった。
演奏スタイルは、基本的には演出を控えるクールなスタイルです。