ショパンがしばしば批判の対象となるのは、彼の音楽には絶対的に欠落している要素があるためである。
それは逆説的であるが、彼の音楽はあまりに美しく、高い完成度を有しているということだ。
音楽の次元で完結してしまっているがゆえに、それを超越した深遠に接近することを、作品自体が
拒んでしまうという皮肉。
表層的な理解がこれほど蔓延していることは、決して作曲者自身の望む所ではなかろうが、残念ながら、
それは彼の作品の内実を示す必然なのだ。