ゴルトベルクにYAMAHAを使用したいきさつ

 ピアノの巨匠たちとともに フランツ・モア著(NYスタインウェイのコンサ
ート 調律師、ホロヴィッツ、ルービンシュタイン、グールド、Rゼルキン、
クライバーンなどの専属調律師で、ギレリスなどの来米コンサートも担当)よ
り

グールドのピアノ ‘45年製のスタインウェイCD318を ’60年に購入

モア氏は60年代以降、グールドのすべてのレコーディングの調律を担当(もち
ろんYAMAHAを使ったゴルトベルクのみはYAMAHAの調律師)モア氏がスケジュー
ルをとれずピアノの再構築を工場に依頼したところ、それに失敗。

グールドは彼の手を復元されたCD318にのせると、思わず泣きそうになった。
「これは、僕のピアノじゃない。一体このピアノはどうしたんだ?こんなピ
アノじゃあ弾くことはできない。使いものにならない・・・・・・」
 長年仲良しだった彼のピアノが赤の他人になってしまったのだ。グールド
は途方にくれていた。 しかしグールドはどうしても履行しなければならな
いレコード会社との契約があった。彼は大きな絶望の中で代わりに使えるス
タインウェイを探したが、1台も見つからなかった。
・・・中略
 スタインウェイに対する怒りと不満でいっぱいのグールドはヤマハに相談
に行った。そしてきめ細かな調整が必要であったが、彼はCD318によく似た
ヤマハを見つけたのである。そして、ニューヨークのヤマハにいる人の良い
オストロフスキーというよく知られた技術師が、グールドの最後の録音のピ
アノの準備をしたのだった。私がグールドに同行しなかった録音は、この時
だけだったのである。

 この辺が一番真実に近いと思われ。